(写真はオリブ山から見た現代のエルサレム市街です。)
旧約聖書「ヨナ書」の研究
●●●第一章
「ヨナ書」の概要
●「ヨナ書」の時代背景
・「ヨナ書」に出てくる「ニネベ」はアッシリア帝国の首都である。
・アッシリア帝国は約300年間(BC900年~BC607年)世界を支配していた帝国である。
・アッシリアはヘブル王国分裂後の、北王国イスラエルを併合し、滅ぼした。
●「ヨナ書」は神によって著された「宗教文学」である
・聖書は「時代」も「歴史的背景」も違う、多くの作者により著され編纂されたたにもかかわらず、「創世記」から「ヨハネの黙示録」まで首尾一貫した「神の啓示の書」である。
・ただし、本書「ヨナ書」は作者が神からのインスピレーション(啓示)により著述された「宗教文学」である。
・「宗教文学」が「史実」を基にした著作と比較し、聖書的な価値が劣ることはない。(もちろん、根本主義的な聖書学者は、ヨナ書を史実として受け入れているが、ここでは詳細には触れない。)
●「ヨナ書」の成立時期
「ヨナ書」の成立はBC300年前後と考えられている。「ヨナ」とはヘブル語で「鳩」の意味である。本書の「ヨナ」は男性で、選民意識に燃える「イスラエル民族」を体現した人物である。
●●●第二章
「ヨナ書」の大意
1)神からの「ヨナ」の召命
(「ニネベ」への「悔い改め」の託宣を命じられる)
2)ヨナ神の命に背く
(「タルシシ」への逃走を開始。)
3)ヨナの乗る船が暴風雨にさらされる。
(ヨナは不信仰を悟り「自らを海に投げ入れることを」申言)
4)ヨナは3日3晩、魚の腹の中で神に祈る。
(主が命じ魚が「ヨナ」を陸に吐き出す。)
5)神からの再度のヨナの召命
(ヨナはニネベの町で民に悔い改めのための託宣を宣布)
6)ニネベの王が「ヨナ」の託宣を受け入れ悔い改める
(神はニネベへの「審判」を思いとどめられる)
7)ヨナは神が「審判」を中止した事を不快に思い、神へ談判。
(「ニネベ」の町を一望出来る丘で、審判を待ち望む)
8)「とうごま」と「ヨナ」
(神は「とうごま」を使い「ヨナ」に神の心中を語る)
●●●第三章
とうごまとヨナ(ヨナ書:第四章)
1)ニネベの町を一望する丘の上で、「ニネベ」への審判を待ち望む「ヨナ」
『わたしはあなたが恵深い神、あわれみあり、怒ることおそく、いつくしみ豊かで、災をおもいかえされることを、知っていたからです。それで主よ、どうぞ今のわたしの命をとってください。わたしにとっては、生きるよりも死ぬ方がましだからです。(ヨナ4:2~3)』
2)灼熱の太陽の下、神は日よけに「とうごま」を生えさせ、日陰を作る。
「時に主なる神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、とうごまを備えて、それを育て、ヨナの頭の上に日陰を設けた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ(ヨナ4:6)」
3)神は虫によって「とうごま」を枯らさせる。
『ところが神は翌日の夜明けに虫を備え、そのとうごまをかませられたので、それは枯れた。(ヨナ4:7)』『やがて太陽が出たとき、神が暑い東風を備え、また太陽がヨナの頭を照らしたので、ヨナは弱りはて、死ぬことを願って言った、「生きるより死ぬ方がわたしにはましだ」(ヨナ4:8)』
4)最後に神がヨナに語った言葉
『主は言われた、「あなたは労せず、育てず、一夜に生じて、一夜に滅びたこのとうごまをさえ、惜しんでいる。ましてわたしは十二万あまりの、右左をわきまえない人々と、あまたの家畜とのいるこの大きな町ニネベを、惜しまないでいられようか。」(ヨナ4:10~11)』
●●●おわりに
・神様のみこころは計り知れない。
・私たちは謙虚に、神様のみこころに従うしかない。わたしは、「ニネベの町」と現在の「家庭連合」を重ね合わせて考えてしまう。
・神様にとっては十二万ものニネベの町を滅ぼす前に、その悔い改めを切に望まれることは間違いない。
・わたしたちにできることは、ニネベの民に真実を伝え、その指導者たちの悔い改めを待ち望む事である。
・もしかしたら「ニネベの王」のように、神に悔い改めるかもしれない。
・私たちにできることは、神様からの命令に謙虚に従い「叫ぶ」しかない。
●「家庭連合よ、神に帰れ!」と。
おわり
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