●はじめに
大江さんの懺悔録『懺悔その4』
『マルクス主義というのも、マルクスを信じるか信じないかの世界ですから、その意味では、宗教と言っていいと思います。私は今も、マルクスの書いたことは正しいと思っています。私は統一教会の勝共理論の講師は、マルクスのことをボロクソにこきおろすわけです。私は当時、心情的に耐えられませんでした。キリスト教から統一教会に入った人は、修練会で講師が『イエスが』と呼び捨てにするたびに、『ぐさっとくる』と言っていました。それと同じです。しかし、マルクスへの信頼を、組織の中では口にできなかった。これは、大したことはないんで、言ってはいけないことです。統一教会は自らキリスト教の一派であると名乗っているわけですから、修練会の講師もせめて『イエス様』と呼んでほしかった。統一教会を、もっと外部に開かれた宗教にしていかなければならなかった。その意味で懺悔したいと思います』(懺悔録55頁)
懺悔録その4で、『マルクスは正しい』という大江さんの発言が飛び出します。この真意はどこにあるのでしょうか。
今回は、この大江さんの発言を起点として、『統一教会は真理に帰れ!』と題して提言をしたいと思います。
視点01
大江さんの「マルクスは正しい発言」の真意
勝共理論の中に「マルクス疎外論批判」という講義があります。
大江さんは早稲田出身ですが、慶応大学出身のCARPメンバーが図書館のマルクス全集にあった『絶望者の祈り』というマルクスの詩を発見し理論構築したもので、初期マルクスの動機が弱者救済の正義感からではなかったということを論理的に解明したものです。
もちろん大江さんは「疎外論批判」を理解していたと思います。(大江さんはマルクス経済学の『剰余価値説』のトリックも見抜いておられたわけですから・・・。)
深層は、頭の中にあるのではありません。民青同盟から出発した大江さんは、マルクス主義の歴史を俯瞰し全人類を救済せんとする壮大な熱情を受け止めたのだと思います。大江さんは、統一教会時代も、人類救済のマルクスの熱情を始点に、文鮮明師の壮大な真理体系(神学)に革命の熱情を託し、走りきった方なのだと思います。
視点02
大通りから寄せ集められた日本統一教会歴代会長
『町の大通りに出て行って、出会った人はだれでも婚苑に連れてきなさい』
(マタイ22章9節)
日本統一教会会長として興隆期を務めた「久保木修己」会長は立正佼成会(仏教系)の出身ですし、文鮮明師とダンベリー刑務所に収監された「神山威」会長は父親が牧師を務めてきたキリスト教出身、大江さんが仕えた藤井羑雄会長は元全共闘の闘士と無神論系の代表者です。
霊感商法の生みの親である「古田元男」氏は、神道系の宗教出身と聞いております。まさしく、多士済々、無神論者から旧約段階の仏教・神道、新約段階のキリスト教まで、文鮮明師は、「町の大通りから呼び集めた」信徒を会長に立てて、日本統一教会を牽引してきたことが分かります。
文鮮明師の横的八段階勝利を確定させた、全世界の祝福家庭も同様で、暗黒街のチンピラから、元共産主義者、神道系の霊能者、再臨を待望し霊的に導かれてきたクリスチャンまで多士済々です。まさに、すべての人種、すべての霊的階層の代表者を救済する使命が文鮮明師にあったのです。
神の第一次摂理は「キリスト教」の群れの中に再臨主を降臨させなければならなかったことを思い起こしてください。2001年神様王権即位式で再臨主の使命が確定した後には、「町の大通りから呼び集められた群れ」から、神の独り子、イエス様によって準備された選民圏の土台の上で、再臨主と正しく出会う時代とならなければならないのです。
視点03
統一教会は、「聖書」と「キリスト教神学」に回帰しなければならない。
清平役事をどのように理解すればよいのでしょうか。
キリスト教神学からすれば、先祖崇拝の仏壇も、神道の神棚も、聖書の示す偶像崇拝の最たるものです。まして、清平の悪霊解怨役事など、異端の根拠にはなっても、再臨教団の証しとはなりそうもありません。(*カトリック教会は「免罪符」で崩壊したのです)
ただ、一つだけ明確な結論は、統一教会は「聖書」と「キリスト教神学」に回帰しなければ未来に扉を閉ざすという一点です。世界で最大の宗教は基督教で、全人類の三人に一人がキリスト教徒なのです。神の復帰プログラムに導かれた基督教と絶縁しては、神の人類救済の展望は、まったくひらけてこないのです。
そして、神の復帰摂理は、二千年のイエス様と聖霊の精誠として、人類救済の共通テキスト「聖書」と「キリスト教神学(原罪論と再臨論)」に結実しているのです。
韓鶴子総裁は、「独生女論」が最終真理だと豪語しますが、韓鶴子総裁をささえる韓国の元老たちですら、「独生女論」が真理であると信じている「ノウテンキな方」は一人もおりません。
日本の教会長は信徒に『「独生女論(天の父母様論)」が登場しても、「統一原理講義」は継続しますから安心してください』と、平然とウソの説明をしています。
統一原理(原理講論)はキリスト教の正典である「聖書」を解説した『組織神学』なのですから、韓鶴子総裁が思いつきで構築した『独生女論』とは、逆立ちしても両立させることなど絶対に出来ないのです。日本家庭連合では、「天の父母様神学」の講義テキストを出版できないのが、隠蔽体質を証明しているわけです。(*「独生女論」で主張する「女メシヤ」は基督教への絶縁宣言です!)
視点04
統一教会は、科学分野で「統一思想」を提言すべきである。
「マルクス・レーニン主義」の実質崩壊後、唯一神を信じる陣営にとって思想的に最大の猛威を振るっているのが、ダーウィンの位牌を引き継ぐ、遺伝子還元主義の科学者たちです。マルクスの『資本論』代わる現代の経典は、さしずめリチャード・ドーキンスの『利己的遺伝子』でしょうか。マルクスの『唯物史観』に代わるのは、ハラリの『サピエンス全史』あたりかもしれません。
ノーベル賞を受賞した分子生物学者、ジャック・モノーが書いた『偶然と必然』(みすず書房)で、モノーは本の中で、マルクスやエンゲルスの「弁証法的唯物論」批判も展開する一方で「目的論」や「生気論」も厳しく否定し、機械論的な唯物論の勝利を主張します。
科学思想は、実証主義から始まり、本来は形而上学的な価値判断に裁定を下す立場にないのですが、神の存在や目的論を排除した「偶然主義」が科学としてまかりとおり、生物すら機械の装置と主張する機械的唯物論一色に占領されてしまっているといっても過言ではありません。(いずれその限界が露見することは時間の問題です)
唯一真理の橋頭堡を築いていただいたのが、脳科学者の第一人者でノーベル賞受賞者でもある、J・C・エックルスでしょう。エックルスは『心は脳を越える』(紀伊國屋書店)で以下のように述べています。
「二元論的相互作用説」に立って見れば、脳は生涯にわたって私たちの忠実な道連れをつとめる一種の道具であり、コンピュータである」(72頁)
「私たちのひとりひとりの人格に独自性を与えるのは、自我の唯一性に他ならない。そして、自我とはすなわち魂のことであり、自然神学的な意味での神の摂理によって、胎生期のいつかに私たちの肉体に宿るのだと著者は信じる」(80頁)
(*エックルスにはカール・ポパーとの共著『自我と脳』という名著もある。)
物理学では「ビックバン宇宙論」や「人間原理」が解明される時代となり、脳科学の分野では、精神や心の実相を唯物論的に説明できる可能性はまったくありません。生物学での最大の謎は「生物進化」であり、米国で展開されているキリスト教ファンダメンタリストが構築した「科学進化論」は、科学と呼べる次元の真理性の裏付けにとぼしく、逆に基督教の真理性を貶めていることは残念です。統一教会が支援していた「インテリジェント・デザイン論(ID理論)」ですら、基督教信仰を持つ科学者たちからまったく不評で支持を得ていません。
いずれ、統一教会が基督教神学の本義に立ち帰り、唯物論に占領された科学分野で、李相軒先生が文鮮明師の神学思想を哲学で大系化した「統一思想」を、具体的に科学理論に展開し地上に光明の光を投げかけることができる、科学界の革命的な人物が登場することを、切に期待するものです。
おわりに
韓国元老たちで、本当に真理基準にたつ「金栄輝会長」や「孫大旿(ソンデオ)会長」らは、韓鶴子総裁の過ちを公開した自著を執筆し、元老職から立ち去りました。
韓国統一教会(家庭連合)で、元老者会にしがみついているのは、地位と富を求める地上の商人たちです。この人々は、自分達の地位をいかにすれば保全できるか、韓鶴子総裁「聖和」後の準備が虎視眈々と進めているのです。
もはや、現在の韓国本部は、文鮮明師の願う世界救済摂理を担ってはいなのです。
日本統一教会(家庭連合)は、大江さんも主張しているとおり、韓国本部の正体を見抜き、文鮮明師の解明した真理基準に回帰し、韓国本部と絶縁する必要があるのです。
さて、この連載も残り二話です。
連載第三回で、韓鶴子総裁豹変の理由は二つあると申しました。第一の理由は献金(富)でした。もう一つの理由を何なのか。それを次回説明しようと思います。
これは、基督教神学の正しい土台がなければ、絶対に正しく理解することはできない内容であります。
祈り。アージュ!
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おおくの成約聖徒に真実が届けられますように!
祈り。アージュ!