●はじめに
テキスト検証の方法について最初にお断りさせていただきます。
「木を見て森を見ず」ということわざがございます。
いきなり研修テキストの各論の間違いを次から次へと個別に取り扱う方法もあると思いますが、各論批判は、実は、いかようにも理由をつけてすり抜けることができるのでありす。
私は実際、大学時代に民青や中核派と論争をした経験からそのことがよく理解できます。理論ビラで「剰余価値説批判」を展開したとしても、そんなものまったくお構いなしで、レーニンの帝国主義論が登場して「資本主義は滅亡する!」と叫び出します(笑)。つまりお互いの論争をする共通ベースがありませんと、「暖簾に腕押し」「糠に釘」状態になり、お互い無駄骨になってしまいます。(もちろん、『独生女論(真の父母論)』は共産主義思想ではありませんが、仮にこれを神学体系と呼べるならば、フェミニズム思想を基盤とした「極左神学体系」と表現すべきだと私は信じます。)
さいわい、『独生女論(真の父母論)八つのテーゼ』という共通事項が存在します。これを活用し議論を進めることはとても大切であります。そこで連載01回は「八つのテーゼ」を扱いました。
『文鮮明先生御言選集』や『原理講論』『天聖經(八大教材教本版)』『真の御父母様の生涯路程』等々、本格的なアボニムの御言で反論したらどうかという意見もあろうとはおもいますが、それは「各論」批判の中で登場する予定です。
さて、本題に戻ります。
「木を見て森を見ず」でしたね。
「共通テーゼ」の他に、次に明確にすべき重大問題がございます。それは、韓氏オモニの「責任分担未完遂問題」です。
韓氏オモニが「独生女論」で主張しているように、ほんとうに「無原罪聖誕の初臨独生女(女性メシヤ)」なのか。それとも、「統一原理」が主張しているように、再臨主文鮮明師が堕落圏から探し求めた「第三の母」に過ぎないのか。
検討する最大争点は、韓鶴子女史が真の母として3%の責任未完遂を成し遂げたのか否かという問題に逢着するわけです。
今回は、最初に韓鶴子総裁と文鮮明師との心情関係にスポットをあてパネルにまとめながら考察を進めてまいります。
■第一テーマ
『韓鶴子女史の文鮮明師に対する信仰変遷の概略図」
●韓鶴子総裁御言選集(1巻~5巻・光言社)による検証
●結論:
日本の光言社の出版した『韓鶴子総裁御言選集1巻~5巻』は、見事に、韓鶴子総裁にまつわる謎を解明してくれます。
1)■「第一巻・第二巻」(1960年~2001年)⇒韓鶴子総裁の統一原理信奉期
2)■「第三巻」(2002年~2012年) ⇒韓鶴子総裁の善悪交叉混沌期
3)■「第四巻・第五巻」(2013年~2022年)⇒韓鶴子総裁の独生女論転落期
●詳細解説は、是非以下の『連載・韓鶴子総裁御言選集研究1~5』をご参照ください。
■第Ⅰ期:心情一致期(御聖婚~天城旺臨宮殿)
01)1960年04月11日:文鮮明師・韓鶴子女史御聖婚
02)1995年01月19日:清平で興進様・大母様による悪霊分立役事が始まる。
03)1998年07月19日:文顕進様「世界平和統一家庭連合世界副会長」に就任
04)1999年06月14日:文鮮明師から韓鶴子女史に表彰牌授与(母子協助時代7年路程終了)
■第Ⅱ期:心情離反期(天城旺臨宮殿~天正宮)
01)1999年11月07日:天城旺臨宮殿奉献式
02)1999年12月12日:清平修練院「直系1~7代先祖祝福式」開始
03)2000年11月11日:文鮮明師「父子協助時代」宣布
04)2001年01月13日:神様王権即位式
05)2004年05月10日:文信俊様御聖誕
■第Ⅲ期:統治準備期(天正宮~平和センター)
01)2006年06月13日:天正宮博物館奉献式
02)2008年04月18日:文亨進様「世界平和統一家庭連合世界会長」に就任
03)2009年09月10日:文顕進様が米国ラスベガスで文鮮明師と最後の面談するも決裂04)2009年09月10日:郭錠煥氏、文鮮明師と決別
05)2010年06月05日:文鮮明師「代身者・相続者は文亨進である。その外の人は爆破者」宣布
06)2010年06月19日:「真の父母様が横的に最終一体宣布」(米国ラスベガス)(*母との密約)
07)2010年07月08日:「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会」
08)2012年01月18日:韓鶴子女史が金孝南訓母司式の「ある神との結婚式」挙行
■第Ⅳ期:統治完成期(平和センター~)
01)2012年03月22日:清平平和ワールドセンター奉献式
02)2012年04月 :韓鶴子女史、金孝律氏と共にソウル成和社を訪れ、文鮮明先生御言選集22巻の改竄を指示
03)2012年07月16日:文鮮明師最後の講演・アベル女性UN創設大会「オモニは私が育てたよ。オモニはいない。文総裁の妻の位置はいません。」
04)2012年08月01日:ヨイド裁判(地上権設定登記無効裁判)高等裁判所・家庭連合敗訴確定
05)2012年09月03日:真のお父様が聖和
●文鮮明師の御言「神様の夫人の座まで育てなければならない。オモニは責任が3%残っています」(*家庭連合は御言選集から全文削除)
『(基元節まで4年数ヶ月残っています。この時までオモニが責任を果たせる度数を終えなければ問題が起こるのです。そのために大事に無事に私が責任をすべて築いておいたので、オモニも、私が悔しく、当たり散らしたり、拳を上げてうったりしない限りすべてが解決されます。女を娘として侍って育てて妻をつくらなければならず、その次に母をつくらなければならず、その次にはお祖母さんをつくらなければならず、女王の座までつくらなければなりません。神様の夫人の座まで育てなければなりません。その道は真の父母しか知りません。真の父母だけができる最後の道です。それを誰かに任せることができないので、私が最後までオモニを育ててそのようにしなければなりません。オモニは、断食もしてはいけないと言いました。この訓読会も朝早く出て来るなと言ったのです。わたしは1時間過ぎても準備しますが、オモニは寝なさいと言って、何か用があるならば私が準備をすべてするのです。私の言葉だけを信じ、絶対信仰・絶対愛・絶対服従で最後まで峠をうまく越えろというのです。峠を97%まで越えたとしても3%が残っています。つまり私が教えることはできないのです。』(文鮮明先生御言選集第607巻310頁・2009年2月16日)
●文亨進二代王様の御言「お父様は語られました、お母様は2013年6月13日までに自分を完成しなければならない」
『皆さんがご存じのように、2007年の天正宮での訓読会のときに、お父様はとても具体的なみ言を語られ、「お母様は2013年6月13日までに自分を完成しなければならない」とおっしゃいました。ところが、この2013年6月13日はお父様が聖和されたあとなのです。あとなのです! 多くの姦通者たちと天使長たちが、いつも「真の父母は一つだ。お母様とお父様は一つだ、一つだ」と言いますが、お父様がみ言の中で「お母様は完成していない」とおっしゃったのです。そして、「まだお母様の責任がある」と言われました。ですから、お母様の決定によって、世界の祝福が訪れるのか、世界の審判が訪れるのか決まるのです。お母様にはその選択がありました。その選択は恐ろしい責任です。命がけでお父様に侍らなければならないのであって、それはお父様が聖和されるときまでではありません。自分が死ぬときまでです! 死ぬときまでお父様を仰ぎ、お父様に栄光をお返ししなければなりません。死ぬときまで! それが真なる対象の信仰であり態度です! 生き様です!』(文亨進様説教集・天一国の秩序 91頁)
●最後の3%とは何なのか。(解題試案)
文鮮明師は、自ら縦的八段階(心情の八段階)と横的八段階(個人から天宙まで祝福家庭編成で成し遂げられた)を完全勝利し、メシヤ宣言を宣布し、2001年神様王権即位式で第三アダムとしての完全勝利を奉献成就されました。
ところが韓鶴子女史には、女性としての勝利しなければならない3%がのこされていたというみ言なのです。
私はこの最後の3%というのは、韓鶴子女史が、直系子女の血統後継者として王権相続者であられる二代王文亨進様に対し、自ら王国を統治したい誘惑を治め、文亨進ヨナ様御夫妻に侍り協助する立場に立つべきでした。ところが「絶対信仰・絶対愛・絶対服従」が揺らいだ姿をみられた文鮮明師が、自らを治め最後の峠を越えなさいと叱咤激励した御言が、この最後の3%の真意だと理解しています。(*女性の完成とは「神の妻の位置」に至る最終段階を勝利することです。)
(*時系列順に並べています)
■01)鮮明師の御言「先生は原理的にしますが私はそうではない」これ以上恐ろしい言葉があるのか
『統一教会に中心がありますか。先生も未だに、オモニを中心として越えることができる峠を越える為に、執拗に耐えているのです。・・・一人の女性を育て、理想的な妻をつくることが、世界統一よりも難しいのです。それをオモニが分かっていません。今聞いているでしょう。今から知らなければならない。一昨日オモ二が「先生は原理的にしますが、 私はそうではない」と言うのです。これ以上恐ろしい言葉がどこにありますか。目の前にいて。』(文鮮明先生御言選集488巻 156頁2005年2月21日)
■02)文鮮明師の御言「アボジも私がいなければ完成できなかった」このように考えてはいけない。
『オモニもこれからは、自分勝手にするという考えをもってはいけません。「アボジも私がいなければ完成できなかった」このような考えをしてはいけないというのです。・・・私も今、神様の前において「神様、私がすべて絶対価値と連結させたので、私がいなければ神様は混乱しませんか。私の言うようにしてください」と言うことはできないのです。私はできないというのです。(247頁)』『オモニは自分が6歳の時だかに道行く僧侶が現れて、娘一人いる大母様にたいして「心配するな。この娘が大きくなったら、陸海空軍を動かせる世界の親分と結婚する」と言ったとして、それまで自慢してきました。オモニはそれを信じていました。私が話すことは信じることが出来ずに。(258頁)』(文鮮明先生御言選集491巻・2005年3月22日)
■03)文鮮明師の御言 お母様がどうして神様の夫人の位置に立てるのか
『私たちのオモニはどれほど大胆か分かりません。こうして原理原則を中心として天の国の天法生活に入ると一遍に引っ掛かり得る状況がたくさんあることを知らずに、勝手に生きています。そこに引っ掛からないように私が垣根になってあげて、蘇生時代から国家解放圏までもオモニを保護する責任を今しています。垣根になることは自分の垣根圏と対等な位置でできるのではありません。先生がつくった垣根ができる前はできません。オモニがどうして神様の夫人の位置に立てますか。堕落した女として、どうして真の父母の夫人の位置に立てますか。真なる僕の夫人の位置にすら立てずに追い出されて。それを殺してしまおうとするのにですよ。このような人を捕まえて神様の夫人の位置に立てますか? そのような亡霊のような行動が何処にありますか!』(文鮮明先生御言選集第614巻28頁「カインとアベルの戦略」2009年7月12日天正宮)
■04)文鮮明師の御言「お母さんにはお母さんの道、お父さんにはお父さんの道があると言ったのです」
『お母さんは、勝手にしようと思っている。勝手に動いてみろ。お母さんはお母さんの行く道があり、お父さんはお父さんの行く道があると言ったのです。私が朝、どれほど深刻だったでしょうか。日が昇る前に日が消える真っ暗な世界、電灯の光が砂浜に映えるような、ちょうどそういう気持ちで未明から発ちました』(文鮮明先生御言選集607巻11~12頁 2009年12月4日)
■05)第Ⅲ期:統治準備期(天正宮~平和センター)(*上記パネル)
08)2012年01月18日:韓鶴子女史が金孝南訓母司式の「ある神との結婚式」挙行に対する、お父様の叱責の御言
『天地人真の父母様は、お父さん、お母さんが二人ではなく一人です。お母さんはお父さんの踏み台であり、ご飯を食べてついて回ればよいというものではありません。別なところで遊べば亡びます。お父様が呼んでも返事をしないお母さんと共にする者たちは清算の対象です。安州(お母さんの故郷)と韓氏(お母さんの苗字)の自慢をしてはいけない! そのようなことをしていてはだめになる! 私を無視して、お前たちが私を案山子(かかし)にするならと! お母さんは独自路線を行っている。お化けだ! お母さんがお父さんの道ではない違う道をを行っている。お前たち(お母さんに追従する子女様と側近幹部及び教会指導者を示す)も皆、お母さんとグルになって私と違う道を行っている。お前たち! 天の頂上(天地人真の父母様)は二人ではない。お母さんの心がお父様と違うところで遊んでいる、お父さんを知らないお母さんはありえない。そのお母さんに従うやつらはお化けだ! お前たち! お父様は必要ないと考えている者は根のないお化けだ。お前たち! 神様だけが孤独なお父様と共にいる。お父様の周りには誰もいない。お母さんがお父さんを待つべきだ。お父さんがお母さんを待たせるなんて! お母さんに従うお前たち! ぼろを着て回るな! 「お父様の話を聞かず、お母さんが私の言うことを聞け!」と言うのはルーシェルよりもさらに恐ろしい存在だ。私は今、一人だ! 息子娘もいない! お母さんも違うところで遊ぶ! お母さんについて回るお前たち! 孝進が生きていた時、「お父さんがかわいそうだ。お母さんはなぜお父さんのみ言を聞かず、自分のやり方でするのか?」と私に言ったことがある。今日、宣布する。お母さんはこの時間以降、お父様に絶対服従しなければならない』 (天正宮訓読会「2012年1月19日」)
■06)文鮮明師の御言「オモニは自分の先祖が文鮮明師の先祖より優れているといっている。」
『韓鶴子オモニが自分の先祖は文総裁の先祖よりも優れていると言っている。とんでもない話だ。私に従う人たちは力のない女性食口で、男性たちは(子供と幹部) はオモニに従いながら何でもオモニと相談しているので、これが教会を滅ぼす道であった。教会の男たちがオモニを中心に議論し、オモニが全てのプログラムを決定するということはありえないことである。その子供たちも私に隠れてすることがあれば、全て引っかかる! 行ってはっきり伝えろ!』 (天正宮訓読会「2012年1月21日」)
■07)鮮明師の御言 アベル女性UN世界大会「文総裁の妻の位置もありません!」
文鮮明師は 『アベル女性 UN 創設大会』 基調演説中に韓鶴子女史を非難しました。
『お母さんは私が育ててきました。お母さんがいません。文総裁の妻の位置もありません。勝手です。 勝手!』(2012年7月16日「アベル女性UN創設大会」基調演説 清心平和ワールドセンター・158カ国1万3千人)
●おわりに
文鮮明師が解明した『統一原理』と、韓鶴子総裁が鮮文大学神学部教授に構築させた『独生女論』。この二つは補完理論ではなく、決して共存できない対立パラダイムの体系であることをお分かりいただけたと思います。
いずれ『天の父母様聖会』は『お父様の自叙伝』を廃止処分にしたように『原理講論』『真の御父母様の生涯路程』『文鮮明先生御言選集』と次々に廃刊処分することは、理論的な必然なのです。
「真の父母論」が神から与えられた啓示なのか。地から与えられたサタンの神学体系なのか。もはや結果は明らかであります。
次回から、いよいよ『神日本「真の父母論」特別2日研修』テキストの各論の内容検討に入ります。
成約聖徒の皆様の上に、神の恵みと祝福あらんことを祈ります。
祈り。アージュ!
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