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日韓家庭連合の最新動向
(2026年6月21日)
◆全体の結論
韓国では、韓鶴子総裁の刑事裁判が、単なる「特検対韓総裁」という構図から、韓総裁と尹永浩元世界本部長の間で、誰が政治工作を決定・指示したのかを争う局面へ入りました。
日本では大きな裁判上の新展開はなく、旧宗教法人の清算、債権申出、献金情報開示、資産整理が中心です。
1.6月12日・第29回公判
第29回公判では、裁判所が韓鶴子総裁に関する弁論をいったん分離し、尹永浩元世界本部長ら共同被告の事件について、韓総裁を証人として尋問しました。
韓総裁は車椅子で出廷し、尋問に先立って約10分間、自らの立場を説明しました。主な主張は、
- 権性東議員に1億ウォンを渡していない
- 金建希氏に贈り物をしていない
- 政治家に政治資金を渡したこともない
- 尹永浩氏が虚偽の事実を作った
というものでした。
しかし、その後の具体的な尋問では、「記憶にない」と答えたり、証言を拒否したりする場面が多く、約1時間30分で尋問が終了しました。特に、権性東氏との面会、金建希氏に渡ったとされる高価なネックレス、政治家への後援金などの核心部分について、十分な説明は行われませんでした。
第29回公判の意味
韓総裁は、全面的に沈黙したわけではなく、自分に有利な基本的主張は述べた一方、反対尋問や具体的事実には回答を限定したと整理できます。
ただし、証言拒否そのものが直ちに有罪を意味するわけではありません。裁判所は、証言拒否ではなく、書類、資金記録、関係者の供述、報告体制など、他の証拠全体から判断します。
2.6月19日・第30回公判
第30回公判では、韓総裁と尹永浩氏への尋問、書証調べが行われました。
韓総裁は、特検や尹氏側からの質問には、引き続き「証言を拒否する」「記憶にない」と答えることが多かった一方、自らの弁護人から尹氏について質問されると、
「裏切られたと感じる」
という趣旨で答えました。
また、尹氏が尹錫悦大統領当選者と会ったことは後で知った、国民の力議員らへの後援金についても報告を受けていない、と主張しました。
これに対して尹永浩氏は、教団内で自分に包括的な権限が与えられていたとの韓総裁側の主張を否定しました。
尹氏は、
- 会長などの人事は韓総裁が発表した
- 財政上の重要事項も韓総裁に報告した
- 特別行事なども上層部の決定を受けた
- 自分が単独で処理できる権限があったとは言えない
と述べています。
さらに尹氏は、【韓総裁、鄭元周元秘書室長、尹氏の3人が尹錫悦氏を組織的に支援するため協議したという点について、「大きな枠組みではそのとおりだ」】と答えたと報じられています。
3.現在の最大争点は「尹永浩氏の独断か、上層部の共謀か」
第29回・第30回公判を通じて、法廷の争点はかなり明確になりました。
韓総裁側の主張
尹永浩氏が、韓総裁への報告や承認なしに、政治家への接触、後援金、金品提供などを独断で進めたというものです。
尹永浩氏側の主張
教団の人事・財政・重要事業は韓総裁や秘書室に報告され、上層部の決定なしに世界本部長が独断で行うことはできなかったというものです。
したがって、裁判所が判断する核心は、実際に金品や後援金を動かした実務担当者が誰だったかだけではなく、その背後に韓総裁や秘書室の承認・指示・黙認があったかという点です。これは両公判で示された供述の対立から導かれる評価です。
4.結審は7月10日に変更
第30回公判でも裁判は終結しませんでした。
裁判所は7月10日に、
- 特検側の最終意見
- 韓鶴子総裁らに対する求刑
- 弁護側の最終弁論
- 被告人らの最終陳述
を行い、弁論を終結する予定です。
ここで注意が必要なのは、7月10日は判決日ではないということです。
特検が懲役何年を求めるかが示される「結審公判」であり、実際の一審判決日は、その後に裁判所が別途指定します。したがって、7月10日に有罪・無罪や刑期が確定するわけではありません。
5.韓鶴子総裁の拘束執行停止
韓総裁の拘束執行停止期間は、現在、6月30日午後2時までです。健康上の事情による一時的な措置であり、保釈や無罪判断ではありません。
6月21日時点で、6月30日以降についての新たな延長決定は確認できません。
そのため、今後は、
- 再び延長申請が出されるか
- 裁判所が延長を認めるか
- 延長されなければ拘置所へ戻るのか
が、7月10日の結審より先に訪れる重要な節目になります。
6.別件の「280億ウォン現金」横領疑惑
本裁判とは別に、検察・警察合同捜査本部は、天正宮内の韓総裁の個人金庫にあったとされる約280億ウォンの現金について、教団資金の横領に当たる可能性を捜査しています。
捜査当局は5月6日、天苑宮、天正宮、ソウル本部、孝情グローバル統一財団などを押収捜索し、資金の出所と教団内の決裁過程を調べています。
現時点では、280億ウォンが横領資金だったと司法的に確定したわけではありません。しかし、この事件は政治家への請託とは別に、教団財産と総裁個人管理資金の境界が適切だったのかを問うものです。
7.ラスベガス遠征賭博「捜査もみ消し」疑惑
第2次総合特検は、統一教会幹部らの海外遠征賭博情報を警察が正式捜査に回さず、政治家側に漏らしたのではないかという疑惑も捜査しています。
6月9日には、金道亨前江原警察庁長が公務上秘密漏洩などの疑いで召喚されました。
警察は2022年、内部者から、韓総裁らが2008~2011年に米国ラスベガスで約600億ウォン規模の賭博をしたとの情報提供を受け、報告書を作成しましたが、正式事件として配当しなかったとされています。特検は、情報が教団や政治家側に漏れ、証拠隠滅や捜査の阻止につながった可能性を調べています。
これも現段階では疑惑・捜査段階です。遠征賭博自体の事実、金額、資金源、警察上層部や政治家の関与は、今後の捜査によって立証される必要があります。
◆日本家庭連合の現状
8.日本は裁判より「清算実務」が中心
日本では、東京高裁が2026年3月4日に解散命令を維持し、旧宗教法人世界平和統一家庭連合の清算手続が開始されています。
損害賠償や返金を求める人の債権申出期間は、2026年5月20日から2027年5月20日までの1年間です。
オンライン申出と郵送申出が用意されており、別途申請すれば、旧法人が保有する献金記録などの情報開示を受けられる場合があります。
6月21日時点で、日本側には第29回・第30回公判に匹敵する新たな司法上の転換は確認されていません。現在の中心課題は、
- 債権申出の受付
- 申出内容の調査
- 献金記録の情報開示
- 不動産などの資産処分
- 債権総額の確定
- 被害者への配当準備
です。清算人公式サイトでも、返金や損害賠償を求める場合は、問い合わせではなく正式な債権申出が必要と案内されています。
◆日韓を総合した評価
日本と韓国では、問題の段階が異なっています。
日本では、旧宗教法人の財産を確定し、債権者への弁済を準備する「組織の清算」が中心です。
韓国では、韓鶴子総裁、尹永浩氏、鄭元周氏らの間で、政治家への資金・金品提供を誰が決定したのかを争う「個人と最高指導部の刑事責任」が中心です。
第29回公判から第30回公判までの最大の変化は、韓総裁が尹永浩氏を「独断で行動した裏切り者」と位置づけ、尹氏が「上層部の承認なしにはできなかった」と正面から反論したことです。
今後の重要日程は、
- 6月30日:韓総裁の拘束執行停止期限
- 7月10日:特検の求刑、最終弁論、最終陳述、結審予定
- その後:一審判決日指定
となります。
(動向解説:おわり)
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