日韓家庭連合の最新動向
(2026年6月26日現在)
前回からの最大の変化は、日本では解散命令が最高裁で最終確定したこと、韓国では海外遠征賭博疑惑の捜査もみ消し問題が、警察トップと権性東氏の調査へ進んだことです。
1.日本:最高裁が特別抗告を棄却、解散命令が最終確定
最高裁第3小法廷は6月22日付で、世界平和統一家庭連合側の特別抗告を棄却しました。決定は6月23日に教団側へ送達され、これにより解散命令をめぐる一連の司法手続は終結しました。民法上の不法行為を理由として宗教法人の解散命令が確定したのは、今回が初めてです。
最高裁は、長期間にわたる不相当な献金勧誘によって多数の人に多額の財産的・精神的損害を与え、教団が組織的に関与していたと認定した東京高裁の判断を支持しました。そのうえで、解散命令は宗教法人格を失わせるにとどまり、法人格を持たない宗教団体として信仰活動を続けることまでは妨げないとして、憲法上の信教・結社の自由に反しないと判断しました。
この決定の実際の意味
清算手続そのものは東京高裁決定が出た3月4日からすでに進行していました。今回の最高裁決定によって新たに清算が始まったのではなく、
解散命令が将来覆される可能性が法的になくなった
ことが重要です。
今後、旧法人の財産を元の宗教法人へ戻すことを前提とした処理はできなくなり、清算人は資産換価・債権調査・弁済を継続することになります。
教団側は、高裁決定の問題点が最高裁に聞き入れられなかったことは「大変遺憾」と表明しています。ただし、6月26日現在、堀正一氏名義や韓国本部名義による詳しい新たな公式声明は、私が確認した範囲では見当たりません。
2.日本:第3回報告書で清算の具体的進行が判明
清算人は6月22日付の第3回報告書で、5月20日以降の清算状況を裁判所へ報告しました。
主な数字は次のとおりです。
| 項目 | 6月22日時点 |
|---|---|
| 債権申出の申請者 | 61名 |
| 書面申請用紙等の発送 | 152名 |
| 清算業務に残る職員 | 約500名 |
| 賃借施設の賃料・管理費 | 月約1億5000万円 |
| 処分済み自動車 | 約250台 |
| 所有船舶 | 2隻から1隻へ訂正 |
| 遊休不動産 | 売却準備中 |
現段階では、債権申出者61名は「債権が認定された人数」ではなく、申請者数です。申出期間は2027年5月20日まで残っており、新聞・ウェブ広告に加えてテレビCMも検討されているため、今後相当数増える可能性があります。
日本側の清算は、現在、
固定費を減らし、車両や遊休資産を換価しながら、潜在的な債権者を集めている段階
です。
一方、不動産売却額、債権申出総額、認定債権額、被害者への弁済開始時期・弁済率はまだ決まっていません。
3.新団体は活動できても、旧法人財産は当然には引き継げない
最高裁も、信者が法人格を持たない団体として信仰活動を続けること自体は妨げられないとしています。したがって、堀正一氏らが関係すると報じられている「FFWPU」などの新団体が、宗教活動を続けることは制度上可能です。
しかし、
- 旧法人名義の土地・建物
- 預金
- 車両
- 備品
- 献金記録などの資料
は清算人の管理下にあります。新団体が同じ教義や名称を使用していても、旧法人の財産を当然に承継できるわけではありません。
第3回報告書では、関連団体が使用していた旧法人所有の遊休不動産も売却準備の対象とされています。
4.韓国:元警察庁長官を初めて被疑者として聴取
韓国側の新しい大きな展開は、6月23日、尹熙根(ユン・ヒグン)前警察庁長官が、海外遠征賭博捜査もみ消し疑惑で初めて被疑者として特検の聴取を受けたことです。
特検は、警察が2022年、韓鶴子総裁ら教団幹部が2008~2011年に米国ラスベガスで約600億ウォン規模の賭博をしたとの情報を入手しながら、正式事件として配当しなかった経緯を調べています。尹前長官は「退任するまで統一教会関連の話は聞いたこともない」と疑惑を全面的に否定しました。
ここでの争点は、遠征賭博の事実そのものだけではありません。
- なぜ最上位級の重要情報が正式捜査に回らなかったのか
- 誰が警察内部の捜査情報を政治家側へ漏らしたのか
- 捜査中止・未配当について上層部の指示があったのか
- 教団側が捜索に備えて資料を処分したのか
という、警察組織と政治権力の関与が捜査対象です。
5.権性東氏に7月1日の出席を通告、本人は拒否
特検は6月24日、権性東(クォン・ソンドン)氏に対し、7月1日に参考人として出席するよう通告しました。しかし、権氏は出席しない意向を伝え、特検側は弁護人と日程を再調整する方針です。
特検は、警察の捜査情報が権氏へ伝わり、そこから尹永浩元世界本部長ら教団側へ流れた可能性を調べています。
報道された尹永浩氏の会話記録には、「最高位職から外為法の問題だと言われた」「家宅捜索の可能性があるので備えるよう言われた」「警察の認知捜査を尹核関係者が知らせた」とする趣旨の内容があります。
権氏は現時点ではこの捜査では参考人であり、捜査もみ消しへの関与が確定したわけではありません。ただし、出席拒否によって事実解明が遅れる可能性があります。
6.韓鶴子総裁の本裁判は7月10日に結審予定
6月19日の第30回公判では、韓総裁と尹永浩氏の主張対立が明確になりました。
韓総裁は、尹氏が自分に報告せず独断で行動し、責任を転嫁しているとして「裏切られた」と述べました。これに対して尹氏は、自分には財政・人事・政治活動を独断で決定する包括的権限はなく、重要事項は韓総裁や上層部へ報告していたと反論しました。さらに、韓総裁、鄭元周元秘書室長、尹氏が尹錫悦氏を組織的に支援する方向で協議したことについて、「大きな枠組みではそのとおり」と供述しました。
裁判所は7月10日に、
- 特検の最終意見
- 韓総裁らへの求刑
- 弁護人の最終弁論
- 被告人の最終陳述
を行い、審理を終える予定です。7月10日は判決日ではなく、判決はその後に別途指定されます。
最大の争点は引き続き、
政治家への金品・後援金の提供が尹永浩氏個人の独断だったのか、韓総裁・秘書室を含む教団上層部の承認や共謀によるものだったのか
です。
7.韓総裁の拘束執行停止は6月30日まで
韓総裁の現在の拘束執行停止期限は、6月30日午後2時です。これは保釈ではなく、拘束の効力を維持したまま治療のため一時的に執行を停止する措置です。
6月26日現在、6月30日以降について、
- 再延長が決定された
- 再延長を認めないと決定された
- 拘置所への復帰が確定した
という新たな確定報道は確認できません。
したがって、韓国側の直近の節目は、6月30日の身柄判断と7月10日の求刑・結審です。
総合評価
現在の日韓家庭連合は、次のように整理できます。
日本は、最高裁決定により宗教法人格を取り戻す可能性がなくなり、清算が不可逆的な段階へ入りました。今後の中心は、不動産売却、債権認定、被害者への弁済です。
韓国は、韓総裁本人の政治資金・請託裁判に加えて、海外遠征賭博疑惑をめぐる警察・政治家への捜査が本格化しています。
特に前回からの新しいポイントは、
日本では司法手続が完全に終了し、韓国では捜査もみ消し疑惑が教団内部から警察トップ・権性東氏へ広がった
ことです。
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