
韓総裁第30回公判② ―「トカゲの尻尾切り」「懐柔工作」「チョン・ウォンジュの役割」に関するユン・ヨンホの証言(2026-06-22)
韓鶴子総裁の第30回公判(2026年6月19日)における証人尋問で、ユン・ヨンホは、教団側による「トカゲの尻尾切り」や、自身に対する「懐柔工作」があったと証言した。
また、起訴対象には含まれていない「大統領選挙支援資金30~50億ウォン」に関する内容や、「チョン・ウォンジュ秘書室長の役割」についても証言した。
◆ 「陳述書作成の要求」と「条件付きの懐柔工作」
ユン・ヨンホは、自身に対する家宅捜査後、教団側(法務チーム長ら)から、「韓総裁は報告を受け、承認はしたが、(韓総裁のほうから)先に指示したわけではない」という趣旨の陳述書を作成してほしいと要求されたと証言した。
その過程で教団側は、
1. 妻(イ・シネ)に対する告訴の取り下げ
2. (ユン・ヨンホの)弁護士費用の肩代わり
3. 事態収束後の「高位職への復帰」
を約束したと主張し、ユン・ヨンホの妻であるイ・シネがこの内容をタイピングし、文書を持参するという形で、教団側がユン・ヨンホにこの内容を伝えたと暴露した。
これに先立ち、2026年3月10日、ユン・ヨンホは韓鶴子総裁の公判に証人として出廷し、
「家庭連合によるトカゲの尻尾切りは間違っている」
「家庭連合とユン前本部長は一つのチームであるべきだ」
「私は決してユン前本部長を見捨てたことはない」
という韓総裁のメッセージを公開するとともに、「韓総裁の指示はなかった」という内容の陳述書作成を求められたと暴露していた。
これに対し、教団側(協会)は2026年3月11日、公式ホームページ「家庭連合からのお知らせ」において、「ユン・ヨンホ証言に関する一部報道に対する韓国家庭連合の立場」と題する文章を掲載した。
メッセージでは、「韓鶴子総裁が自分に有利な証言をするよう懐柔したという報道内容は事実ではなく、反対尋問で正す予定である」と協会の立場を明らかにした。
しかし実際には、韓総裁側弁護団はこの点を反対尋問で覆すことができないまま、ユン・ヨンホが第30回公判でも再び同様の内容を証言したことで、韓総裁に不利な状況が続いている。
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◆ 大統領選挙資金30~50億ウォン問題の波紋
ユン・ヨンホは、クォン・ソンドン議員側と接触する過程で、教団内部関係者(ユン・ジョンノ)が韓総裁との面会を実現する条件として、「30~50億ウォンの大統領選挙資金支援」を強く要求してきたと証言した。
さらに、その内容を韓総裁へ報告し、「(韓総裁から)金庫を2台準備するよう指示を受けた」とも証言した。
この内容は第17回公判(2026年3月20日)でも言及されている。
当時、韓総裁側弁護人の質問に対し、ユン・ヨンホは、「(クォン議員へ渡した1億ウォンとは別に)「後援金として30~50個(億ウォン)を要求されました。私がクォン議員に会う前のことです」と証言している。
この案件は現在の起訴内容には含まれておらず、表面化していない状況だが、今後捜査が再開された場合には、大きな波紋を呼ぶ可能性がある事案だ。
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▶ 韓総裁第17回公判②―韓総裁側弁護人「2022年 違法大統領選挙資金問題の火種を再点火」(2026-03-22)
【参考ニュース記事】(2026.03.21)
◆ キム・ゴニ女史への贈答品が遅れた経緯とカンボジア事業との関連
キム・ゴニ女史への贈答の意思決定は7月16日になされたにもかかわらず、実際の実行が29日になった理由について、ユン前本部長は、7月8日に発生した安倍晋三元首相銃撃事件が原因だったと説明した。
当時、「銃撃犯の本来の標的は韓鶴子総裁」という認識が教団内にあり、さらに日本国内の献金(約1,500~1,800億ウォン/約156~188億円)が韓国へ送金されていた問題が表面化したことで、教団全体が「存亡の危機」に直面し、その対応会議に追われてロビー活動を進める余裕がなかったという。
また、特検の「世界本部長解任後に個人的事業のためチョン・ソンベ(コンジン法師/シャーマン・政治ブローカー)と接触したという見方についても、ユン・ヨンホは、
「教団のカンボジアの土地購入や国家政策プロジェクト(地価上昇益を目的とした事業など)を進めるため、チョン・ソンベの建設業界・プロジェクト・ODA資金ネットワークを活用しようとした延長線上の行動だった」と反論した。
◆ チョン・ウォンジュの実質的権限と役割
この日の公判では、チョン・ウォンジュ秘書室長の役割と権限についても尋問が行われた。
質問:
チョン・ウォンジュはいつから秘書室長を務めていたのか。
回答:
秘書室は2013年に設置されました。実際には青瓦台の秘書室やサムソングループ秘書室と同等の組織で、本格的な体制整備は2015年頃でした。
チョン・ウォンジュが総裁秘書室長に任命されたのは、2015年10~11月頃だったと記憶しています。
質問:
10年以上も秘書室長を続けた理由は何か。被告からみて、それだけの理由があるのか?
回答:
私が詳しく申し上げるのは難しいですが、本来は「2025年まで務めて退任する」と言っていました。年齢的な理由もあり、「本部長は(秘書室)副室長でもあるから、本部長が後任になるのがいいと思う」と。しかし、2025年が終わっても、退任する意思はありませんでした。
私の考えをひと言申し上げれば、実際のところ、韓総裁の「左腕・右腕」はキム・ソクビョン氏とチョン・ウォンジュ氏でした。秘書室には30~40人ほどいるが、キム・ソクビョン氏が離任挨拶でこういうことを言いました。
「秘書室長という立場は中国の『十常侍』(※)のようなもので、総裁の目や耳をふさぐ役割も果たすこともある。また、「特命総使巡回使制度」のような仕組みも運用されていました。
(※訳注:十常侍は中国・後漢末期に皇帝の側近として権力を握った宦官集団で、皇帝に直接仕える立場を利用して絶大な影響力を持ち、人事や政治に介入し、賄賂や縁故人事を行い、皇帝に都合の悪い情報を伝えない、あるいは都合よく伝えたとされる)
1時間ほど(韓総裁に)報告して退室しながら、チョン・ウォンジュに「杖」というあだ名をつけたことがあります。韓総裁は、気分の浮き沈みが激しいため、朝の報告したときに決められたことが、夜には変わっていることもあります。誰かが一貫性をもって支える必要があった。その役割を担っていたのがチョン・ウォンジュだったと言います。
――――
ユン・ヨンホはこの日の公判で、チョン・ウォンジュの役割と権限について比較的具体的に説明した。
その証言を通じて、チョン・ウォンジュが教団運営において実質的な役割を果たしていたことは、裁判所にも伝わったことだろう。
2026年6月22日
崔鍾根
〔統一教会不正腐敗追放監視委員会〕
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