「家庭連合」の研究

すべての成約聖徒は三代王権に帰りましょう!

●真の父母は、ユダヤ教・基督教の伝統の基に使命を果たされます。「聖書」と「原理講論」に帰り、成約聖徒としての使命を全うしましょう!

連載25『永田正治先生選集』苦難の主をおとしめるな! ー 独生女論は統一家すべての敵 ー

 

苦難の主をおとしめるな! ー 独生女論は統一家すべての敵 ー

 

 

この記事は2019年1月25日配信したものです。

 

 

永田正治 Masaharu Nagata

 

お父様と苦難

 1970年代も初めのことです。あるミッシュン系大学の原研の人が訪韓し、お父様にひとつの質問をしました。「あなたは罪がない方なのに、なぜ、堕落人間の悲しみが分かったのですか」。お父様は一瞬沈黙し、「苦労したからだよ」と言われ、「君の大学は祝福されるよ」と仰ったそうです。

 韓氏オモニの異端行為に、ひとつだけ感謝したいことがあります。それは、メシア・お父様の苦難の意味について深く考える契機になったからです。お父様はメシアとして誕生しました。この世の君、狡猾な知恵の天使長であるサタンは、あらゆる策略をめぐらせ、人々に、お父様がメシアでないと思わせようとします。お父様の苦難の原因はまさにここにあります。

 歴史的に、多くの宗教が苦難の歩みをなしました。サタンの謀略は成功し、人々にキリストを不信させ、結局、イエス様は十字架刑で殺されました。釈迦も孔子も、数千人しか教えを広げられませんでした。それはサタンが妨害したからです。人類を救おうとした、メシア、聖人は例外なく苦難の道を歩みました。正しき者の苦難は、サタンが支配する堕落世界において避けて通れない道です。しかしそれは、彼らが真実のメシア、聖人である証でもあるのです。

 罪なきお父様は、苦しみを受ける必要などありません。そのようなお方が堕落人間の涙をぬぐうため苦難の道を歩んだのが、統一教会の最も貴い真実なのです。それはお父様に帰する信仰の栄光であり、誰であろうとも、お父様の苦難の人生に傷を与えることはできません。しかし独生女論は、お父様の出生と苦難の人生をおとしめているのです。

 

苦難は発展の礎

 一方、メシア、聖人の苦難こそ宗教の発展を約束するものでした。イエスさまの苦難の大きさに、キリスト教が世界最大の宗教になった秘密があるのです。私は他宗教者と宗教交流をしていますが、天理教創価学会が発展した理由もまさにそれです。天理教中山みき教祖は、生涯、弱き人々を助ける人生をおくりました。80歳をすぎて、何度も当局から厳しい取り調べをうけました。そして極寒のなかで、歯のない教祖に、故意に堅い食べ物をあたえ、瀕死の状態にさせ、釈放し、まもなく亡くなりました。事実上の獄死です。天理教は日本で最も安定した新宗教ですが、理由は、中山教祖の強い求心力です。それは中山教祖の犠牲と苦難の生涯により形成されたのです。創価学会も、牧口常三郎一代会長は、宗教弾圧で収監中に獄死し、戸田城聖二代会長は同じ時期、刑務所に収監されました。戦後創価学会はまさに刑務所から始まったのです。池田大作三代会長の実力とともに、二代にわたった指導者の苦難の歩みが創価学会を発展させた原動力でした。

 

お父様は苦難の王

 私たちのお父様は、どの宗教の聖人よりも苦難の道を歩まれました。「先生に財産があるとしたら、血涙。神さままでも泣かざるを得ない。これしかない。(み旨の道)」などのみ言と、生涯の歩みがそれを証します。お父様は1946年、平壌に宣教に行かれました。キリスト教北朝鮮当局から激しく迫害され、ついに興南刑務所に収監されました。今日、脱北者の聞くにも堪えない悲惨な証言を聞けば、興南刑務所でお父様がうけた苦しみがどんなに辛いものだったか想像できます。その苦難こそ、人類が犯してきた罪を代贖(蕩減復帰)し、人を救う道を開拓した歩みで、お父様が受けた苦難と、人類の救済は表裏一体のものでした。

 先生がここまでくるには、どのくらいの蕩減の価を払ったか、どのくらい真剣だったか分からない。牢屋が問題ではない、拷問が問題ではない、首が飛ぶのが問題ではない。―― その真剣さは神を感動させ、神が同情せざるを得ない。 (「理想相対」1969.2.4.東京)

 

祝福も苦難の果実

 韓氏オモニは、祝福について、1960年、原罪を持って生まれたお父様は、生まれながらの無原罪の独生女である自分と聖婚して独生子になれ、この地上に真の父母が立ち、救いの摂理が開始されたと言っています。しかし、お父様の祝福に関する思想は違います。お父様こそ罪なくして誕生したメシア・キリストです。しかし、人類の血統転換は、血統という単なる先天的なものだけではなく、罪なき人の、苦難と犠牲の歩みと不可分のものでした。祝福も、お父様の苦難の果実なのです。

 ここまでくるには、血統的転換をいったい誰がするかというんだね。これは誰もできない。先生がやってきた。これは涙ぐましい、並々ならぬ心情的十字架を背負ってきたことを、あなたたちは分からなければならない。―― 転換の勝利圏を立たせるには、数千年の神の苦労のもとに、実体を中心とした先生の生涯のもとに植えて、神さまを下に、先生を下に足場として立ったのがあなたたちだ。  (「血統的転換」1970.10.13.韓国水沢里)

 

おふたりの真の子女様の涙

 お父様の苦難の価値は、おふたりの真の子女様はお分かりです。2017年7月16日、文亨進様は「適正な秩序の王国」の説教のなかで、このように述べました。

 お父様は 、文字通り、すべての瞬間を私たちのために苦難の道を歩いて下さいました。10億の何兆倍のそのまた何兆倍もの苦難です。私たちはその全体を理解することなどできません。しかしその苦難の理由、背後の心情、それを介して少し理解できるのです。

 私は、お父様の苦難に対する多くの言葉を聞きましたが、こんな最大限の表現は聞いたことがありません。亨進様にとってお父様の苦難は「10億の何兆倍のそのまた何兆倍」の大きさと感じられるほど圧倒的なものなのです。お父様の苦難というものがどれほど重要なものか、骨髄に染みて分かっていらっしゃるのです。家庭連合での基盤を失い、ペンシルベニアのレイクサンクチュアリにおられた時、多くの涙を流されたといいます。その涙は、苦難の生涯を歩まれたお父様を思う涙にちがいないのです。

 一方、私は、清平で、文顕進様がみ言を下さり、始終強烈なトーンでお話され、最後には、お父様のお話になって、慟哭される貴いお姿を拝見することができました。顕進さまは、お父様をこよなく愛し、メシアの苦難の意味をご存知な方です。このように、韓氏オモニの間違いを知り、家庭連合の信仰を正そうとされる、おふたりの真の子女様は、お父様の苦難の意味を誰よりもよく知る方たちなのです。

 

独生女論は統一家すべての敵

 しかし、韓氏オモニは、お父様の苦難の歩みをまったく認めません。それどころか、恐ろしいことに、おとしめているのです。2017年、8月14日、日本から戻った8人の巡回師に「お父様は崔先吉オモニと間違った結婚をしたので、北朝鮮に行って苦難を受けた。後に自分と結婚しその間違いを清算した」と言い放ちました。お父様の興南刑務所での苦難の路程は、統一食口にとって、おおくの涙を流し、信仰の原点とする最も神聖な時代です。

 ところが韓氏オモニは、お父様が、人類罪悪史の代贖として、地獄の底で耐え忍び勝利した貴い時代を、むしろ、自分との結婚を待てなかった「お父様個人の罪滅ぼし」と認識しているのです。この方は、私たち統一食口が抱く、最も本質的な信仰と心情を、共有していない人物なのです。

 また、お父様が、興南刑務所から解放された時につくられた詩が歌詞となる、「栄光の賜物」の天一国国歌を改ざんし、「聖励の新歌」に代え、別人の歌詞をあてました。お父様は2006年、この国歌を定めたときに、涙しながら何度も歌われたそうです。こんな、お父様の苦難の歩みと心情が込められた国歌を、6年後にあっさり変えることができたのは、韓氏オモニがお父様の苦難をなんとも思っていないことを示します。むしろ、お父様の苦難を食口に回想させたくない意図が歴々としています。

 韓国では、サンクチュアリ教会と家庭平和協会(顕進様の人々)が一堂に会し、「統一家統合と再建のための食口大討論会」をすでに三回行っています。会合は、主張の違いを越え、真摯に統一家の再建を願い、論争になっても、互いの立場を尊重しながら意見を交換しました。これは、画期的で希望的なことです。

 昨年の9月15日、韓氏オモニが、大勢の食口に「お父様は堕落した抜け出せない立場で誕生した。それを知らなければならない、あなたたち。— そして第二に独生女に会わなければ、お父様は独生子ではない。これを知っておかなければならない」と言った独生女発言に対し、私たちは断固として批判しました。お父様をおとしめる韓氏オモニの独生女論は、統一教会の正統信仰を守る真の子女様に従う私たちは、許すことはできないのです。私たちは、独生女論を批判し続けなければなりません。

 家庭連合の食口は、独生女論をしっかり見極めなければなりません。当たり前に考えてください。「独生女」など、聖書にも、原理にもありません。私たちは「独生女」という単語すら知りませんでした。無原罪の独生女など、3年前の2016年末から、家庭連合の学者が食口に説き始めた、にわか作りのインチキ神学です。第一、第二のお母様が勝利していたならば、独生女論など、そもそも、あり得ないものです。こんなものが人を救うことなどできるはずはなく、むしろ、食口を地獄へ引き入れるものです。家庭連合の食口の皆さんは、独生女論など偽りであることを知ってください、目を覚ましてください!

 

【永田正治さんのプロフィール】

1954年東京生まれ。高麗大学歴史学科卒業。崇実大学統一政策大学院修士、啓明大学日本学博士課程修了。慶州ソラボル大学勤務(1997—2007)。慶州歴史文化都市造成計画TF委員歴任。著作に『北朝鮮関連日本書籍の分析』、『徳川綱吉儒教政策』など。日本に帰国後は、信者の異宗教交流により宗教間交流の活性化をめざす「異宗教コミュニケーション」を提唱。「異宗教コミュニケーションのすすめ」、「宗教の復権と異宗教コミュニケーション」、「宗教多元主義と異宗教コミュニケーション-遠藤周作『深い河』を中心に」などがある。

 

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