●はじめに
私は日本サンクチュアリ協会スタッフを務め2023年3月末(年度末)退任に対し、退任理由を会長とのアベルカイン問題の確執と見る方もおられると思います。(もちろん、み旨推進の方向性問題での議論はございました。)しかし、主な理由は、もっと内的なところに存在したのです。
私は大学時代、七日修の講師もつとめ、哲学史を片手に「統一思想」も学びました。経済学部でしたから「勝共理論」は専攻分野でした。
しかし、唯一、私には解けない課題がありました。それが、金永雲先生の「統一神学」だったのです。(*内容がさっぱり理解できませんでした)
私は、退任後の一年間、日本で翻訳されている主要神学者の全集(トマスの神学大全やバルトの著作、アリストテレスからカント、ヘーゲルの哲学全集等々)や、プロテスタント教派が出版している聖書翻訳全集を、入手可能な限り、かたっぱしから買い求めました。(書籍量は八畳間三面×2部屋分ほどありました)
私は近くの県立大学図書館に神学書籍をキャスター付きの鞄で持込み、一日中、手当たり次第読み込みました。その結果、私の中で今まで不明確であった「キリスト教」が徐々に浮かび上がってきたのです。私は、文亨進師が語るみ言の真意を、まったく理解できていないことが、徐々に理解できるようになったのです。
本日の論稿は、その成果の一端を示すものであります。
■第一の提言
統一教会(成約聖徒)信徒は、キリスト教圏の恵沢を享受していない。
ちょっと難しい表題になりましたが、簡単にいいますと、成約信徒の大多数は、残念ながら旧約霊界圏(神道・仏教・儒教圏)に留まり、新約霊界圏(キリスト教)に到達しておらず、その恩恵をいただいている信徒が、おどろくほど少ないという結論です。
米国で、文亨進師が、「聖書にかえれ!」「キリスト教徒中のキリスト教徒になれ!」と語れるのは、現在サンクチュアリ協会本部が米国にあり、圧倒的な信徒数のキリスト教会に対する政治的配慮からそのように語っていると考える方もいると思いますが、それは間違いです。(かつて、私もそのように誤解しておりました)。
そもそも、再臨主文鮮明師が創始した成約教団の名称が「世界基督教統一神霊協会」であることを、思い出してもらいたいのです。
成約聖徒(統一教会信徒)の公式的な心霊復帰段階の、ほとんどまったくの空白状態である「新約霊界圏」を通過する必然的公式からの説教であると見るべきなのです。
■第二の提言
統一教会(成約聖徒)信徒は、聖書を学ばなければならない。
統一教会(家庭連合)の書棚から「聖書」が消えて久しいのです。
成約聖徒は、キリスト教会が再臨主を受け入れず背信したとの理由で、キリスト教会に根強い不信感がございます。統一原理講義で、聖書を参照する講義習慣もなくなり、成約のみ言(八大教材教本)を保持していることを誇ります。
私は、統一原理講義で、信徒の霊的恩恵が、成約霊界圏の恵沢を受けていること自体は、みじんも疑いませんが、新約霊界圏をワープしていきなり成約段階のみ言を受けた信徒は、新約段階の基本の受け皿がないものですから、成約霊界圏に踏みとどまるのはとても困難なのです。
落ちるときは、真っ逆さまで、新約段階ののクッションがないので、旧約霊界を突き抜け、非原理圏まで転落している信徒も多いのではないかと感じます。
そもそも「原理講論」は、聖書解釈に立脚した「組織神学書」なのです。聖書を土台にしたキリスト教文化やその霊界圏の恩恵を受ける(聖霊を受ける)には、聖書に精通する作業を通過せずには不可能なことだったのです。
■第三の提言
統一教会信徒育成プロセスは、三代王様の教育プロセスに回答がある。
文亨進師は、文信俊様(三代王)や子女様の育成方針ついて、まず聖書に親しむことからはじめたと伺っております。聖書には、多くの登場人物があり、親子の対話の種は無数にございます。
米国社会は、建国からキリスト教文化圏の恩恵圏にありますから、新聞、雑誌、テレビ、学校教育にも聖書の登場人物やその例話を頻繁に目にすることができます。
一方日本では、キリスト教文化の根底がほとんどなく、困難な環境圏ですが、この新約プロセスを省略することはできないと見ます。なぜなら、第二アダムであるイエス・キリストを知り受け入れることは、復帰プロセスの必然過程であり、省略できないからです。
■第Ⅰ段階の教育目標
第Ⅰ段階の教育目標は、聖書を読み、キリスト教文化に親しみ、神の存在を信じることです。科学文明全盛の時代にあり、無神論と啓蒙主義に立脚した「科学万能主義」を克服し、無神論陣営の最大武器である「進化論」を克服しなければなりません。神の存在を信じるためには、キリスト教陣営が構築してきた「神の存在証明」も大きな学びの教材となるでしょう。
■第Ⅱ段階の教育目標
第Ⅱ段階の教育目標は、イエス・キリストの生涯(福音書)を知り、イエスをメシヤとして心に受け入れる(信仰告白)に置かれます。(*神を信じ基督教徒となる)
■第Ⅲ段階の教育目標
第Ⅲ段階の教育目標として、イエス・キリストの再臨問題を理解し、再臨主を理解します。文鮮明師が再臨主なのか否か、厳しい検証過程がここに必要となるでしょう。統一原理講義を受講し、検証するのは、この段階のプロセスになるのです。(*成約聖徒になる)
このプロセスのポイントは、神を信じ、第Ⅱアダムであるイエス・キリストと出会い(キリスト教徒となる)、その土台の上で、第Ⅲアダムである文鮮明師と出会い(成約聖徒となる)、その延長線上に、再臨主の血統後継者である三代王権を絶対的に信じ侍る(統一聖殿信徒となる)ことです。(ポイントは、あくまでも、キリストとの心情的会合(出会い・回心)にあるのです。)
●結語
家庭連合では、「写経」教育に熱心に取り組んでいるようですが、壮年婦人を、家庭連合に繋ぎ止める効果しか期待できず、もはや霊界に旅立つことを見越した「あきらめ教育」のように感じます。(*キリストとの本質的な出会いに至らない)
「独生女論」は、もはやキリスト教神学への絶縁状であり、聖書を基底とする「キリスト教教育」への道を完全に遮断します。そこにあるのは、神が準備した世界宗教(キリスト教)を基盤とした世界復帰戦略とは真逆の、韓国土着神学(シャーマン神学)と滅びの道なのです。
なぜ、文亨進師は、「聖霊大学」を創始され、その教育の根底に「聖書通読教育」を置かれたのでしょうか。
文亨進師は、成約聖徒の心霊段階が、旧約霊界圏に留まり、キリスト教霊界圏の恩恵を拒絶することにより、再臨主を正しく理解することができず、拝金主義の「清平シャーマン神学」が登場した背景を正しく理解しておられたのです。
今からでも遅くはないのです。
成約聖徒は、神が人類救済のために準備した共通テキスト「聖書」に帰らなければならないのです。(*聖書は、ほぼ例外なくすべての民族言語に翻訳され、累計印刷冊数は、天文学的な数字の断トツ・ベストセラーなのです。したがって、人類唯一の共通テキストとして神が準備した書籍なのであります。)
まちがっても、二世青年を、「聖書教育のプロセス」を省略し、指導者の過去の経験のみに頼り、聖書引用もない「統一原理」講義のみを延々と繰り返すのは、文亨進師の教育方針とはちがうと申し上げなければなりません。
日本の協会指導者に申し上げたいのは、二世青年教育は、従来の一世圏教育の経験を適用するのではなく、二世青年教育用に文亨進師が構築したプログラム(聖霊大学)を中心に、専用プログラムを構築しなければならないのです。
一世指導者が、過去の自身の経験値のみの教育を強制するぐらいならば、すべて、経験のある二世指導者に教育プログラム構築から委ね、自らは二世・青年教育に干渉しない方がよいのです。
従来の慣習にしたがい、二世・青年を鉄の鎖につないではいけないのです。
祈り。アージュ!
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おおくの成約聖徒に真実が届けられますように!
祈り。アージュ!