●この連載は故人であります永田正治先生が執筆した
『事必帰正』の過ち10の解題・アボニムの天的資産を即刻返却せよ! ー顕進様郭錠煥氏の偽りと隠蔽ー
を三回連続で紹介するものです。
永田先生のご冥福をこころよりお祈りいたします。
永田正治 (Masaharu Nagata )
●第8の解題
万王の王神様解放圏戴冠式
「事必帰正」では、2009年1月15日と30日に行われた「万王の王神様解放圏戴冠式」を、お母様が仕組んだものと批判します。この本では、アボニムは容易に周囲の者の言いなりになる、意思が薄弱で優柔不断な人物になっています。
そして、「アボニムと顕進ニム・郭錠煥」という構図で見ずに、極力、「お母様・幹部・国進ニム・亨進ニムと顕進ニム・郭錠煥氏」という構図で捉えようとします。この4者がアボニムを騙し、自分たちは犠牲者という姿を描こうとします。
そして、自分たちがアボニムに従えなかった、アボニムの天的資産を返却しなかったという事実を隠ぺいします。
「万王の王神様解放圏戴冠式」も、アボニムが摂理的意味がありなさったことです。文亨進ニムご夫妻が、2001年の神様王権即位式に使われた王冠と王のガウンを着て、真の父母様に従う式典は、重要な意味のあるものでした。真の子女様と全ての食口を代表して、王冠と王のガウンを着て祝福権伝授の儀式を行いました。それが意味するものは何でしょうか。
すでに、前年の世界会長任命では、「今後、全部、私がしてきたことを代りに任せようと思うと」仰っておられるのです。子女様のなかで、王冠を被ってこんな権威ある儀式をされた方はおりません。
それは、後継者としての戴冠以外考えられません。アボニムのみ心は明らかです。
●第9の解題
国進ニムに対する批判
「事必帰正」には、国進ニムの批判が頻繁にあらわれます。
国進ニムは長く教会の運営に参与され、改革を進めていたので、敵は多かったと思います。国進ニムの改革は、万年赤字の経済部門において、能力が不十分な経営陣を刷新して、赤字を削減することでした。私たちの理解は、教会の経済部門が巨額の赤字を出して、その埋め合わせを日本食口の地獄のような献金ノルマで補填するという、悪しき構造を改革するというものでした。
国進ニムの改革が成されれば、日本食口が献金の苦しみから解放されると思いまし
た。当時のことを想起してください。
しかし、郭錠煥氏の表現によると、「国進様から見ると、当時の全ての幹部たちと会社役職員たちは無能で不正な人たちでした。また、過去の統一グループの不渡りに対して、国進様は〈満足に専門教育を受けることができていない牧師出身の経営陣たちのせい〉という先入観を持っていました」、と書きました。
また、郭氏の統一教会の経営方針についての見解は、「お父様の企業経営は、利潤のみを追求する一般的な事業とはその次元が異なります。統一グループは、目の前の事業成果とは無関係に、〈韓国の産業化に必要な技術を確保するために巨額を投資〉する方式が多かったのです」と言います。
そして、「当時、最高責任者だった立場で、私一人が非難され悪口を言われることは何とか忍耐できましたが、全ての経営陣の苦労が無視されたまま、むしろ非道徳で不正な人達として非難される状況は余りにも心痛く遺憾でした」と述べました。
しかし、統一グルーブの経営陣の不正は、国進ニムだけが指摘したことではありません。清平役事で、金孝南訓母は、公金問題の話で、経済部門の人々が責任をもってしっかり働かず、公金を横領していたので教会の経営はうまくいかなかったと何度も言いました。「公金を勝手に使ってはならない」は耳が痛くなるほど聞きました。これは経済部門の食口に向けられた言葉です。
教会には、そもそも牧会者や長老が横領できる余分なお金はありませんでした。また、韓国でよく言われることは、牧会者になった食口は、貧しくなって、経済部門に進んだ食口は大きな家に住むようになった、という話です。
郭氏が、国進ニムが経営陣の不正を指摘したと批判するのであれば、金孝南訓母の経営陣の不正の指摘も批判すべきです。サンクチュアリ教会員の意識のなかで、日本食口が負った悲惨な献金問題は、極めて大きな部分を占めます。カードで大金を借りて自己破産した食口も多いのです。
2015年2月18日、文亨進二代王は、家庭連合世界会長の権限で、全ての幹部を罷免し、日本食口に対する献金義務を無効とし、日本食口に献金を返却せよと命じました。
現在、サンクチュアリ教会では、献金は、事実上、言われません。アメリカで本部を造成し、家庭連合との裁判費用のために「防御と創建」の献金1000ドルのキャンペーンを行っていますが、義務ではなく、余裕がある食口にお願いするというものです。献金で神経を使うことはありません。日本食口が受けた献金の苦しみを教訓とするならば当然のことです。
郭氏の「事必帰正」には、経済問題に多くのページを割いているにも関らず、日本食口の献金地獄はおろか、経済問題において、日本食口の献金の貢献すら、全く言及していません。日本食口の巨額献金ノルマは、統一教会の大きな問題であるはずです。それに全く触れていないということは、それについて意識が薄い、あるいは無いということです。
先の話しでは、自身は「最高責任者」であったと言います。だから郭氏に責任があるとは言いませんが、少なくとも、経営陣が、経営に失敗し、その埋め合わせを日本食口
の苦労の献金で補填していたという思いは持たなかったのでしょうか? 郭錠煥氏にぜひ問いたいと思います。
●第10の解題
家庭平和協会にとって、メシア・アボニムとは?
文章というものは、「ひとつの話し」が、全体の構造をくっきり描き出すことがあります。2006年4月23日、お母様が顕進ニムに、韓国財団理事長職を国進ニムに譲歩しなさいと言い、「あなたは全てを持っているが、国進は何もないではないか」(P.175)と言ったといいます。
この「持つ」は役職、権限です。韓氏オモニは言うように、顕進ニムと郭氏は重要な役職と権限をあまりに多く持っていました。更には、アボニムの貴重な資産をあまりに多く持っていました。
結局、2009年の、二人のアボニムとの決別の根本的原因は何だったでしょうか。
1《2009年9月10日》、アボニムが顕進様の服をつかまれ〈全てをさし出すまでは、絶対そのまま行かせることはできない!〉と仰いました。
2《2009年11月27日》、アボニムは〈郭錠煥は、息子娘が刑務所に行って、面会するようになったらどうするか。郭錠煥も刑務所に行くかもしれないだろう〉と仰いました。
そして、
3《2009年12月6日》〈郭錠煥がいつ、統一教会を売ってしまうか分からない。珍満と
珍孝が計画していることに、2世3世がついていくと思っているのか。孫炳禹、劉正玉の2人は、隣の人の子女や孫たちが将来どうなるか見ていなさい〉と仰いました。
決別の原因ははっきりしています。二人が「アボニムの天的資産」を返さなかったからです。
聖書には、「たとい人が全世界をもうけても、自分の命を損したら、なんの得になろうか。また、人はどんな代価を払って、その命を買いもどすことができようか」(マタイ16.26)とあります。アボニムは、メシア・キリストです。その方を愛し、従ってこそ、私たちは初めて救いを得ることができます。この方の価値は世界をもらっても代えられません。たとえ無一文になっても、金よりもメシア・アボニムを選択すべきだったのです。
郭錠煥氏たちは、現在、韓国のヨイドの土地をはじめ、アメリカ、南米などに多くのアボニムの天的資産を持っています。なぜ、アボニム生存時に、アボニムの願いに従って、ヨイドの土地などを返却し、アボニムに許しを請わなかったのでしょうか。アボニムは限りなく寛大なお方です。二人がそのような行動をしていたら、アボニムは喜び抱擁したに違いないのです。長子の立場も認め、全ての兄弟からも尊重されたのです。
その意味で、孝進ニムの生き方に注目すべきです。孝進ニムは早くから後継者の資格を失いましたが、長子として、全ての御兄弟から尊重されていました。国進ニムも亨進ニムも、長子として尊重し、孝進ニム聖和後のお話しは、心から孝進ニムを、兄として敬愛するものでした。
顕進ニムは、常に、自身が長子であることを強調しますが、メシア・アボニムの下での長子の資格ではないでしょうか。アボニムの貴重な天的資産を返さず、アボニムと決別したなら、長子である資格があるはずがありません。
孝進ニムが長子の尊敬を受けたのも、アボニムの認定の下でのことです。それが真の長
子の権威でもあります。顕進ニムのようにアボニムを背信してはその権威を持つことはできません。
●おわりに
私たちは何によって救われるのか?
「事必帰正」では、「前提」で、アボニムを「メシア的な人物」と言っておきながら、他のところで「メシア」だと、明らかに矛盾したことを言っています。これは読者を煙に巻く、あるいは読者のメシア観を狂わせるためです。
要するに、彼らのメシア観は、自分たちの都合でどうにでもなる「メシア」なのです。
カトリックでもプロテスタントでも、こんないい加減なメシア観は持っていません。
今、統一教会の信仰が混乱しているのは、メシア観が狂ってしまったからです。アボニムがおられた時のメシア観が正統メシア観です。その本質は時代がどんなに流れても変わりません。
家庭連合は、アボニムが原罪を持って生まれ、韓氏オモニは原罪なく生まれたという独生女論。家庭平和協会は、アボニムがメシア的な人物という、曲がったメシア観になってしまいました。
どちらも統一教会信仰の本質を見失っています。人は、メシア・アボニムに帰依しない限り救いを得られないのです。初心にもどるべきです。どのようなメシア観が正統メシア観なのか文亨進ニムの証を聞いてください。
●2016年1月12日、文亨進二代王のインタビュー、
アボニムに関する霊的体験
ある日幻を見ました。お父様の御顔が一万の太陽のように輝き、近づくことができません。同時に、お父様の体が監獄にあるのを見ました。お父様の霊人体がまた同時に地獄にあるのです。つまり肉体は監獄にあり、その霊は地獄にあったのです。地獄では魔物たちがお父様を八つ裂きにしていました。
そこでお父様は魔物たちに向かって「子供たちを解放する代わりに私の体を持って行け」と叫んでおられました。魔物たちはお父様の肉をむさぼり、お父様を抱えては引き裂いていました。この幻を見たことで、私は霊的突破口を開きました。
お父様は6回の生死をさまようような牢獄と拷問の生活を送られた。逃げるのでは
なく、よろこんで拷問を受けるその場に進んで行かれた。それは私のため、家族のため、氏族とその未来のためにそうされたのです。お父様がそういうことを「私」のためにされたことを初めて知りました。あらゆる苦労は「私と家族の救い」のためにあったのだと。私たちが神様の前に正しいものとして立てるのは、お父様がこのようにして支払われた蕩減条件のおかげなのだと悟りました。
アボニムは、無原罪のメシアとして誕生し、そのうえ、堕落人間の救いのため血と汗と涙の路程を歩んで下さいました。それにより私たちが神様の前に立つことができるのです。こよなき愛を示して下さったメシア・アボニムを愛し従うこと、それが私たちを救うことができる正統信仰です。
(二代王の証のつづき) そこから七死復活が出てきました。お父様の愛は、友のために一度死ぬ愛などではなく、愛する子女のために何度でも何度でも死ぬそのような愛でした。私はイエス様のみ言から、存在論的に一段飛躍しました。
お父様が「真の愛」とおっしゃるとき、このような何度もくぐられた拷問などの十字架路程を通してお父様が現実に体現された愛を指すのだということを悟りました。それは私と関係のない苦労、蕩減ではなく、お父様の苦難の路程は、「私」が神様の前に正しく立てるようにして下さるものだったということです。
私と家族、孫、そして子孫が神様の前に正しく立てる者になるためです。神様がこの啓示を与えられてから、お父様への見方、お父様との関係において完全な変化が起こりました。
それまでお父様は、私にとって偉大な教師、偉大な指導者でした。メシア、救い主である意味が分からなかったのです。しかしこの啓示によって、お父様が救い主であられ、それなくしては誰も神様の前に正しきものとして立てないのだと悟りました。
お父様が蕩減を払い、代償を支払うことで、私がその路程を歩まなくとも神様の前に立てるのです。
これは巨大な転換でした。お父様が何者であるか分かったのです。その価値の大きさ。単なる教師、預言者ではないのです。メシアと預言者は違うでしょう?私たちが神様の前に正しいものとして立つために犠牲になられる人類の救い主なのです。これが私にとっての一大転換点でした。
おわり
【永田正治さんのプロフィール】
1954年東京生まれ。高麗大学歴史学科卒業。崇実大学統一政策大学院修士、啓明大学日本学博士課程修了。慶州ソラボル大学勤務(1997—2007)。慶州歴史文化都市造成計画 TF 委員歴任。著作に『北朝鮮関連日本書籍の分析』、『徳川綱吉の儒教政策』など。日本に帰国後は、信者の異宗教交流により宗教間交流の活性化をめざす「異宗教コミュニケーション」を提唱。「異宗教コミュニケーションのすすめ」、「宗教の復権と異宗教コミュニケーション」、「宗教多元主義と異宗教コミュニケーション-遠藤周作『深い
河』を中心に」などがある。
「事必帰正」の過ち10の解題
アボニムの天的資産を即刻返却せよ!
-顕進様・郭錠煥氏の偽りと隠蔽-
●目次
●はじめに
●第1の解題 『アボニムはメシアではない』と宣言
●第2の解題 『10年沈黙のペテン性』
●第3の解題 『アボニムの天的資産を即刻返却せよ!』
●第4の解題 『全てアボニムが悪く、自分たちが正しい』
●第5の解題 『文亨進ニムに対する誹謗中傷』
●第6の解題 『文亨進ニムの「家庭連合世界会長」の任命、就任』
●第7の解題 『代身者・相続者、他の者は異端者・爆破者の宣布』
●第8の解題 『万王の王神様解放圏戴冠式』
●第9の解題 『国進ニムに対する批判』
●第10の解題 『家庭平和協会にとって、メイア・アボニムとは?』
●おわりに 『私たちは何によって救われるのか?』
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