●はじめに
ほぼこの連載も終わりにさしかかるところです。
2025年4月13日、韓鶴子女史が基元節以後の念願として推進してきた【天苑宮・天一聖殿】が入宮式を迎え、その絶頂を超えました。
今後、天の父母様聖会はどのような結末を迎えるのでしょうか。
私はズバリ結論を述べますと、天の父母様聖会は自壊せざるを得ないと考えます。文鮮明師が命名した【世界平和統一家庭連合】と違い、【天の父母様聖会】は、韓鶴子総裁が命名した統一教会の摂理的連関から逸脱した別系統の組織であり、天の保護圏の中にはないからです。
しかし、組織の命名問題はささいな事案といえるかもしれません。
それよりも重大な自壊せざるを得ない三つの原因を以下論説で解明します。
●【天の父母様聖会】自壊の第一の原因
【統一原理】と二律背反関係にある【独生女論】の主張
日本家庭連合の「教理研究院」は、今でも「独生女論(真の父母神学)」が、統一原理の補完理論または修正教義であるとの主張をしているようですが、これはまったく無理な注文です。(統一原理講義は、そのうち廃止になるでしょう・・・。)
【統一原理】は、明らかにキリスト教の経典『聖書』を解明した組織神学であるのに対して、【独生女論】は、『聖書』と何等関係なく、韓鶴子総裁の講話内容の御言を根拠に構築されたもので、両者を継ぎ木する方法は皆無だからです。
更に、復帰原理が根本的に違います。【統一原理】が男性メシヤによる救済摂理であるのに対し、【独生女論(真の父母神学)】は男性メシヤと女性メシヤの二元論的救済観です。これでは【統一原理】を修正し【独生女神学】で完成させようとする試みなどを考える余地はまったく御座いません。水と油のように全体系が根本的に別体系の【二律背反思想】だからです。
いずれ、あまりにも粗雑で神学などとは呼ぶこと自体が恥ずかしい思想体系である【独生女論】は、見捨てられる運命にあります。その時期は、遅くとも韓鶴子総裁の聖和のタイミングで表面化する運命にあります。
今まで、幾多の金栄輝会長をはじめとする元老牧会者が、韓鶴子総裁に、【独生女論】の主張撤回を進言したといわれます。ところが頑として韓鶴子総裁は聞く耳を持たなかったわけです。
韓鶴子総裁は、自ら聖書を学ばなかったことを認めておりますが、韓国家庭連合信徒の中に統一原理を真理体系として理解している方が存在しないはずはありません。ゆえに必ず、文鮮明師の遺言である「統一原理」「八大教材教本」に帰らざるを得ないわけです。
その時点で、韓鶴子総裁は、文鮮明師の伝統破壊者として難しい立場にならざるを得ません。真の母の位置を保持できるのか否か。その結論は歴史が証明することになると思います。
●【天の父母様聖会】自壊の第二の原因
壮麗な神殿建設のための【現代の免罪符「天寶家庭」】
1517年のマルチン・ルターの宗教改革の発端が、『95箇条の論題』をウィッテンベルグ城内の門扉に貼り付けた【法王による免罪符販売】に対する糾弾でした。
教皇レオ10世が贖宥状販売の理由とされたのが、サン・ピエトロ大聖殿建築資金でした。壮麗な神殿建築資金のための贖宥状(免罪符)販売という理由は、現代の家庭連合の韓鶴子総裁の【天苑宮・天一聖殿】建設維持資金獲得のための【天寶家庭】勝利奉献に見事に符合します。
天の縦的先祖8家430代の解怨祝福と、地の430家庭復帰というスローガンの【天寶家庭】勝利奉献ですが、これは、家庭連合側が巧妙に考案した【集金エンジン構築システム】なのではないでしょうか。
「地の430家庭伝道が勝利できないのは、天の縦的430家庭解怨祝福ができていないから」という教会指導者のありがたい激励は、その事実を見事に立証しております。
結局、壮麗な清平聖地の【天苑宮・天一聖殿】に多くの巡礼者が訪れ、【天寶家庭】勝利奉献こそが天国開門であるとする家庭連合の現世的な目標設定は、サン・ピエトロ大聖殿建築資金を集金するための口実とされた天国に入るための【贖宥状(免罪符)】販売とどこが違うのでしょうか?
韓国食口と日本食口との一代解怨の献金額が、いまだに違うのはなぜなのでしょうか。日本信徒は、いまだに韓国本部による植民地の奴隷なのでしょうか?
独生女のために捧げられた【天苑宮・天一聖殿】は「偽キリスト」に奉献されたサタン主義の神殿であります。この神殿と教団の維持のために考案された「集金システム」である【天寶家庭】勝利奉献は、成約聖徒の信仰を地に投げ捨てる【贖宥状(免罪符)】に他なりません。
●【天の父母様聖会】自壊の第三の原因
文鮮明師の王の裁定なき文孝進様家系の後継者選定問題
私はCARP出身者でありまして、文孝進様がCARP世界会長であった当時に開催された米国世界大会にも参加しました。師範格であられ、抜群の運動能力を有する文孝進様と同じ正道術で汗を流しました。マンハッタンセンターをスタジオとする音楽創作活動は天賦の才能が開花した姿に多くの感動をいただきましたし、CARPでの組織的な経済支援に同参させていただいたことを記憶しております。
したがいまして、私は、文鮮明師の長男であられる文孝進様をよく知り、尊敬申し上げていることを最初にお伝えさせていただきます。
天一国は地上天上天国をあらわします。神の国の王は当然、キリストとなります。
いまだ、国家的な主権の体裁を整えていない段階といえども、天一国の開門は宣布され、その後継者も文鮮明師により、生前に王の裁定で決定しているのです。
ここに王国における王の統治の根拠を示す興味深い事例がございます。
それは、明治維新によって設立された大日本帝国です。なぜ日本かといいますと、二千年前のイエス様が聖誕したユダヤ民族の統治者であったのはローマ帝国でした。それと同時性が、韓民族を統治していたのが大日本帝国であったからです。
以下の引用文を御覧下さい。
『家的秩序が当然視されている社会であれば、本家(の家長)による分家の統轄は自然的なものと認定される。だから、「総合家族制度国家論」によって国民の総本家の家長である天皇家の家長である天皇が分家末流である国民を統治するのだと説かれたとき、家秩序的社会はそれを受け入れやすかった。仮に皇室が総本家であることに疑問をさしはさむ者がいたとしても、天皇家がもっとも古く、もっとも高い家柄であることは承認されていたから、家秩序的社会にあっては天皇家にあらがうことは困難であった。』(「近代の天皇」鈴木正幸 岩波ブックレット 41頁)
この文書を解説するとこうなります。
武断統治の徳川幕府体制から、天皇親政体制に突然移行せざるを得なかった明治政府は、国民統治の大義名分を模索せざるを得ませんでした。そこで行き着いたのが「総合家族制度国家論」だったというのです。
「総合家族制度国家論」では、総本家が天皇家となる。国民はすべて末流分家となり、国民全体が親族関係の国家論となります。その際に問題になるのが、なぜ総本家が天皇家なのかという疑問です。その解答は「万世一系の血統」であったからとなります。
つまり、安定的に王国統治するためには、王の血統問題が問われるわけです。ナポレオンが「王」となれず「皇帝(血筋を問われない)」となったのは、王の正統な血筋(主に東西ローマ皇帝からの血統)ではなかったからです。
ここで、「天一国」に戻ります。
「天一国」の王権の相続要件は、第一に【王の裁定】、第二に【純潔な血統保持】となります。この条件をクリアすることこそが、神によるキリストの血統の相続者となれる必要要件であると思われます。
【世界平和統一聖殿】の文亨進様は、第一要件も第二要件も満たしていると認められます。ところが、【天の父母様聖会】の文孝進様の家系は、第一要件も第二要件も満たしていないように思われます。このことが、【天の父母様聖会】が自壊せざるを得ない第三の原因となります。
血統問題は、国家秩序安定のための絶対的な必要条件となります。
日本が世界でも稀なる、東洋の一小国ながら西洋先進諸国の仲間入りを果たし得た一因は、血統を重んじてきた天皇家中心の社会秩序(相続問題で多くの血が流されたにせよ)が維持されてきたからだと思われます。一方、中国が国家的に安定しえなかったのは、歴史的に王家の血統を重視せず、人物本位で誰でも王になれるとした儒教の「易姓革命思想」に失敗の一因があったわけです。
●おわりに
今回で、【成約聖徒のコモンセンス】最終回となります。
唯一書き残した「真の母」に就任される【姜賢實先生】については、電子書籍と本の中で記述することといたします。
この記事配信にお付き合いいただいた、成約聖徒の皆様の上に、神と真の御父母様、三大王権の限りない恵みと祝福あらんことを祈念いたします。
祈り。アージュ!
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●成約聖徒のためのヨハネの黙示録解説
なぜ今「宗教法人解散命令請求」なのかの理由が分かります。
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